放射線科

放射線科紹介

当科は、放射線科医師(常勤2名、非常勤複数名)、診療放射線技師(常勤15名)、受付事務(非常勤5名)にて、構成されています。主な業務は、多種多様な医療画像機器を用いた画像検査、そして放射線科専門医による画像診断になります。各診療科医師からの依頼を受けて、適切な撮影を行い、得られた画像に専門的な診断をつけ迅速に結果を返せるようにしています。

理念

当科では、病院理念「真に求められる医療を目指し、地域の皆様に貢献する」のもとに、下記の放射線科理念を掲げ、日々の業務に取り組んでいます。

・医療安全ルールの厳守を通して、患者様への安全で質の高い医療の提供に貢献します

・専門職としての人材育成を通して、病院の医療技術の向上に貢献します

検査内容・装置

一般撮影室(4室およびポータブル)

一般撮影装置


・X線一般撮影装置

一般撮影室
UD150L-40(島津製作所)

UD150L-40E(島津製作所)

DHF-155H2(日立製作所)

・全室フラットパネルシステム採用

AeroDR SYSTEM(コニカミノルタ)

骨密度(1台)


・DCS-600EXV(ダイクロマスキャン/日立アロカ)

ポータブル(2台)


・シリウス130H(日立製作所)

・MOBILEART eco(島津製作所)

一般撮影装置放射線科で最も撮影件数が多く、皆さんが診療放射線技師の仕事として、最もイメージされることの多いものが一般撮影検査になります。胸部、腹部、全身の骨などについて、X線を利用した写真撮影検査を行います。病室撮影も含め、全室でフラットパネルを採用しており、従来よりも被ばく線量を1/2~1/3に低減することが可能になりました。さらに画質も向上し、画像化が早いため検査時間の短縮にも寄与しており、患者さまのご負担がより少なくなりました。

透視撮影室(2室)

X線TV装置(2台)


・XEXIRA FPD1717(東芝メディカルシステムズ)

・SONIALVISION safire MALTI(島津製作所)

X線TV装置通常のX線一般撮影検査は静止画像のみですが、透視撮影検査は、X線を人体へ連続的に照射することで、リアルタイムに動画で観察できる検査になります。通常のX線撮影では診ることができない組織に関して、造影剤と呼ばれる薬を身体に注入して観察や撮影を行う際や、骨折や脱臼の整復の際に利用される装置となります。当院は「消化器内視鏡センター」を開設しており、その適切な診断・治療のために透視撮影室も積極的に利用しています。胃や大腸など消化管の造影検査を行う際には、壁にできた病変を描出するために、バリウムと呼ばれる造影剤を飲むか、注入して検査を行います。患者様には、あっち向いたり、こっち向いたりと、様々な体位変換・撮影体位をとっていただくため、ご協力を必要とする検査となっております。

CT室(2室)

CT装置(2台:320列/80列)


CT装置

・Aquilion one(canon)
・Aquilion primesp (canon)

※CT専従技師を設置

※X線CT認定技師を配属

CT(Computed Tomography)は、X線を利用したコンピュータ断層撮影装置になります。身体にX線を照射し、透過してくるX線を対向する検出器にて検出し、コンピュータ処理をすることで、身体の内部を断層面で診ることができます。近年は輪切り画像での診断のみでなく、積み合わせることで自由断面再構成画像や3次元画像としても利用しています。当院で導入していますCT装置は、心臓の冠動脈CTの撮影も可能な機種になります。専用の画像処理ワークステーションも導入しており、比較的低侵襲で比較的短時間に、心臓の冠動脈の画像を得ることができます。


MRI室(1室)

MRI装置(1台:3T)


MRI装置
・MAGNETOM Vida(SIEMENS)

※日本磁気共鳴専門技術者を配属

MRI(Magnetic Resonance Imaging)は、CTと違い放射線を使用せずに、身体の断層撮影を可能とした装置になります。磁気と電磁波(ラジオ波)を利用して、身体から出てくる信号を検出器で受けて、コンピュータ処理をすることで、身体の内部を断層面で診ることができます。当院では、MRI装置を奈良県内の民間病院では最初に取り入れました(昭和63年09月)。それ以来、装置の更新をしつつ長く撮影に携わっております。MRIとCT、どちらがより良いのかという質問を受けることがありますが、撮影原理が違う装置であり、どちらにも利点と欠点があります。病状や目的に応じて、医師がより適した方、あるいは、両方の検査を選択しています。MRIの撮影に際しては、心臓ペースメーカの有無、入れ墨の有無、体内金属の有無について、他の放射線科検査とはまた別の注意事項、確認事項があります。何かあれば、診察中など検査前に必ず職員にご相談ください。

乳房検査室(1室)

マンモグラフィ装置(1室:1台)


マンモグラフィ装置
・SEPIO stage(島津製作所)

※マンモグラフィ検診施設画像認定施設

※検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師を配属

マンモグラフィは、乳房撮影のことです。当院は「日本乳がん検診精度管理中央機構(精中機構)」の「マンモグラフィ検診施設画像認定施設」となっております。現在、4名の女性診療放射線技師が放射線科に所属しており、マンモグラフィについては、検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師を中心に、女性技師のみが撮影を担当しております。また、他の一般撮影室とは別に、専用の撮影室を設置しておりますので、安心して乳房検査をお受けいただけると思います。


血管撮影室(2室)

X線アンギオグラフィ装置(2台)


・Alphenix Biplane(Canon)
・ARTISBiplane(SIEMENS))

※IVR被曝低減推進認定施設

血管撮影室では、主に血管造影検査とIVR(Interventional Radiology)を行っております。IVRとは、外科的な手術なしで、病気を治療することができる、比較的低侵襲な治療法の一つです。手首や、肘、足の付け根などからカテーテルと呼ばれる管を血管内に挿入し、造影剤を身体に注入し、X線による透視観察や撮影を行い病変部を診断します。さらに、必要に応じて、血管を広げたり、薬やコイルを用いて逆に詰めたりすることで、病気の治療を行います。当院は「かんさいハートセンター」を開設しており、心臓・循環器疾患の検査・治療にも力を入れています。その適切な診断・治療のために血管撮影室も2室で24時間体制にて積極的に利用しています。

・IVR被曝低減推進認定施設(2017年9月認定取得)


全国循環器撮影研究会の施設認定であるIVR被曝低減推進認定施設を取得しています。昨今、高度複雑化する循環器カテーテル治療において、被曝低減が大きな課題となっています。
当院血管撮影室で行っている適切な患者様被曝測定や術者被曝測定および、被曝低減に関する施策が認められIVR被曝低減推進認定施設となりました。カテーテル治療の利点が最大限に活かされるよう、適切に被曝を管理し、被曝低減する努力を行っています。

放射線科検査を受ける上での注意事項

放射線科ではその名の通り、放射線を利用した検査を実施しています。妊娠されている方もしくはその可能性のある方は、診察中など検査の前に必ず職員にご相談ください。プラスチックや金属のついたアクセサリーや衣類、湿布やカイロなど身に着けたもの、他にも検査によっては、ペースメーカや、コンタクトレンズ、一部メイクなど様々なものに注意が必要です。診断の妨げになるだけでなく、場合によっては、検査中に身体に害がある場合もあります。できるだけ何もない状態で来院いただき、撮影する際には、職員の指示に従って外していただきますよう、よろしくお願いいたします。

撮影件数実績

2019年度(2019/4/1~2020/3/31)実績


一般撮影

33,894件(29,783人)

CT

9,924件

MRI

5,625件

透視

1,599件

血管造影

467人

マンモグラフィ

1,069人


算定加算等

★画像診断管理加算1

★画像診断管理加算2

★CT撮影(64列)

★MRI撮影(1.5T)

★冠動脈CT撮影加算

★心臓MRI撮影加算

放射線科スタッフ


放射線科 集合写真

診療放射線技師 常勤20名(男性:10名、女性:10名)

認定資格等

►第1種放射線取扱主任者(国家資格)

►検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師

(日本乳がん検診精度管理中央機構(精中機構)  http://www.qabcs.or.jp/)

►日本磁気共鳴専門技術者

(JMRTS:日本磁気共鳴専門技術者認定機構  http://plaza.umin.ac.jp/~JMRTS/)

►X線CT認定技師

(日本X線CT専門技師認定機構  http://www.ct-ninteikikou.jp/)

►肺がんCT認定技師

(肺がんCT検診認定機構  https://www.ct-kensin-nintei.jp/)

►作業環境測定士第一種(放射線)

(安全衛生技術試験協会  http://www.exam.or.jp/)

►IVR被曝低減推進施設認定

(全国循環器撮影研究会  http://plaza.umin.ac.jp/~zen-jun/)