麻酔科
はじめに
麻酔科医は手術に伴う痛みと不安をやわらげ、筋肉の緊張をとって手術が円滑に行えるようにします。さらに手術によって生じる様々な反応を調節し、呼吸、循環、体温を維持することも麻酔科医の大切な役割です。しかし、手術に様々な危険が伴うように麻酔にも危険が伴います。近年、麻酔の安全性は上昇してきていますが、100%安全ではありません。麻酔科医は術前診察で患者さまの状態を把握し、もっとも安全で良いと考えられる麻酔を行います。
1.全身麻酔
大部分の全身麻酔は静脈内に麻酔薬を注射した後で、麻酔ガスを吸入または静脈内麻酔薬を持続点滴します。いずれの方法でもすぐに眠ってしまいますので、手術による痛みはもちろん、周囲の音も聞こえません。麻酔薬を中止すると10分程度で呼びかけに応じられるようになり、徐々に会話もできるようになります。全身麻酔による合併症には様々なものがありますが、(歯の損傷、声のかすれ、のどの痛み、誤嚥性肺炎、喘息発作、アレルギー反応、悪性高熱症など)それぞれの発生率や治療法については術前外来で詳しく説明させていただきます。
2.局所麻酔(脊髄くも膜下麻酔、硬膜外麻酔、神経ブロック)など
局所麻酔では神経に直接作用して痛みをブロックする局所麻酔薬を使用します。首や肩、背中(くも膜下腔、硬膜外腔)、足などの局所にこの麻酔薬を注射して麻酔をかけます。麻酔の種類によっては手や足に感覚がなくなり動かなくなりますが、麻酔薬の効果が消失すればもとに戻ります。手術中は眠っていたいと希望される方には睡眠薬で眠っていただくことも可能です。麻酔効果が不十分であったり、手術が予定より長くなって麻酔がきれてくる場合があります。この場合には全身麻酔に変更いたしますのでご安心ください。
局所麻酔による合併症も様々なものがありますが、(頭痛、神経障害、アレルギー等)それぞれの発生率や治療法についても術前外来で詳しく説明させていただきます。
高の原中央病院では麻酔専門医が手術前の診察から手術麻酔、手術後の除痛対策に関与するシステムとなっています。手術前に術前外来にて麻酔法とその危険性について麻酔専門医が説明します。手術の種類によっては特定麻酔法の麻酔法でなければできない場合もありますが、説明された麻酔法に疑問をもたれたときや、他の方法を希望される場合は遠慮なくご相談ください。
我々麻酔科は患者さまの希望を考慮しながら、より安全で満足度の高い医療を提供できるようこころがけています。
高の原中央病院麻酔科
麻酔科医師
杉本 一久(医長)
・日本麻酔科学会 麻酔科指導医・麻酔科専門医
・日本心臓血管麻酔学会
・日本臨床麻酔科学会
城戸 宝紀(医長)
・日本麻酔科学会 麻酔科指導医・麻酔科専門医
・日本ペインクリニック学会
・American Society of Echocardiography
・日本心臓血管麻酔学会
富田 有毅彦(医長)心臓血管手術担当
・日本麻酔科学会 麻酔科指導医・麻酔科専門医
・日本心臓血管麻酔学会 認定指導医